私は、パニック障害・不安障害を持っている。
若いころ、死に物狂いで働いて、必死に何かと戦ってきた。そして、十数年後、ある日突然、心臓に異変を感じ、死を覚悟した。救急病院へ運ばれたが、健康だった。
私はパニック障害になった。その後、定期的に起こるパニックにおびえ、ドロドロに苦しみながら、仕事・家族・自分とどう付き合うか、悩んで悩んで生きてきた。ナントカ落ち着いて生活ができるようになるまで10年以上苦しい日々を送ってきた。
パニックの苦しさを知っているからこそ、人の苦しさも少しはわかる。
苦しんできたからこそ、安らぎや生きることのすばらしさ、悲しさ切なさを共有できるかもしれない。自分の好きな音、自分の好きな言葉が、誰かの役に立つのかもしれない。そう思って、曲を作ってきた。
さて、パニック障害は、どういうものなのか・・・
人によりさまざまだが、私の場合は、突然の死の恐怖+動悸や、体の異変が引き金となった過呼吸・しびれからのパニック。ご経験ある皆様と同様、検査をしても異常はない。
身体に異常がないため、家族や友人にはなかなか理解してもらえず、それが原因で心を病んだり、疑われて職場を追われるケースもある。
パニック障害の大変さは、どんなに言葉で記しても伝わるものではない。同じ病気に悩まされている人にしかわからないこの辛さ。
でも、同士の皆さんや、その方を支えようと思っている方の力に、少しでもいいから役に立ちたい。もしかしたら、私が、一人でも手助けできるかもしれない。今日、久しぶりにパニックに襲われて、私なりにここに記そうと思い立った。
パニックは、誰かを思いやって想像しようとしても、残念ながら、想像が困難である。耐え難い苦しさが、波のように何度も何度もやってくる。今そこで死ぬと感じる恐怖。
例えば、突然モノや人が飛んできたり飛び出してきて、自分にぶつかりそうになる瞬間、ヒヤッとしたりびっくりしたりすると思う。あの瞬間の、ひゅっとなるような、ヒヤッとなるような、ぎゅっ心臓をつかまれるような、あの感じが何時間も続くという感覚に近い。
とても、同列に扱うことは許されることではないが、戦場で死に差し迫った状況に置かれた場合や、本当に病気やケガで死の淵にある場合と、何ら変わらないであろう恐怖であるから、もう、体も心も、死力を尽くした状態となる。
それでは、パニック状態の自分や、大切な人を、どうすれば助けられるだろうか。
そもそもは、パニックの原因は、周囲の人と自分の考え方によるストレスが主だと思う。それを変えることが根本的な解決策だと思う。しかし、ここでは起こってしまったパニックについて記す。
残念ながら、一度パニックに陥ったら解決策はないだろう。基本的には、抗不安薬を服用し、落ち着くのを待つことになる。あくまで、対処療法だ。
人によるようだが、私の場合は、ひどい場合2~3時間で収まることが多い。死に直面した状態が長く続くため、アドレナリンがガンガンでて体はブルブル、心もピーンと張りつめた臨戦状態となる。
何せ、死にそうなので、すべての欲がなくなる。(マズローの5段階欲求がわかりやすい)死から助かりたい一心である。
その数時間を、可能な限り穏やかに過ごせるのがよい。
私の場合だが、いくつかコツというか、アドバイスを残す。
(1)雑音は恐怖を増長するため、静かなほうが良い。
テレビなどにぎやかでよい、という人もいるかもしれない。
が、逆効果。
(2)言葉は無意味。
・健康だから、心の問題でしょ。大丈夫だって言っているじゃん?
・命の危険はないのだから、安心して!
・何がそんなに怖いの?
これらの言葉は、まったく無意味である。
外から見てもわからないが、本人、本当に、死に直面している。 死ぬ、もう死ぬ、助けてくれ、って思っている。 たとえ、信じられなくても、否定してはいけない。
(3)そばにいてあげてほしい。
何も言わなくてもいい。
心配してくれて、そばにいてくれるのがうれしい。
(4)本当にヤバそうなら、躊躇せず救急車を呼ぶ
救急車よんだらまずい、とか考えなくていい。
何もなければそれでいいじゃないか。
ちなみに、私は、3回救急車で運ばれている。
薬が効いてくると、少しずつ落ち着いてくる。
落ち着いた時には、抜け殻のような状態になる。
そして、とてつもない安心感と、睡眠欲、食欲がわいてくる。
そして、強烈に思う。
このホッとした時間、健康であること、安全であること、が
どれだけありがたいことか・・・。
健康に生んでくれた親に、
家族に地域に社会に、感謝があふれてくる。
パニック障害とは、両極端な病気だ。
死から、幸せの絶頂を味わう。
ならないほうが良いが、せめて、
それは得難い経験だと思いたい。
皆さん、お互い、まぁ、ナントカ生きていきましょう。
ナントカなりますから😌
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