先日、娘が初めて制服を着た。
私は仕事で忙しくしていて、
ドアをノックされて振り返ったところに、
ふいに、娘が立っていた。
その瞬間、今まで感じたことのない感情がやってきた。
「かわいい」とか「きれい」とか、そういう、
すぐ言葉にできる類の感情ではなかった。
その瞬間から、その感情は、徐々に、徐々に、湧き上がって
どんどんと私を侵食していった。
複雑に押し寄せて、湧き上がる。
その感情は、なんなのか?
理解しようとして、私は仕事も忘れ、固まっていた。
名前の付けられない感情。
その感情は、きっと「感動」という言葉が一番近いのだろう。
一生の間に、何回もないような、心が震える出来事・・・
この感情を得るために、人は、日々頑張っているのかもしれない。
その瞬間は、本人が思っていないタイミングでやってくるのだ。
そうして、私が固まっているうちに、ささっと娘は家を出ていった。
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