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執筆者の写真tranceparentblue9

名前の付けられない感情

更新日:2021年4月15日

先日、娘が初めて制服を着た。


私は仕事で忙しくしていて、

ドアをノックされて振り返ったところに、

ふいに、娘が立っていた。


その瞬間、今まで感じたことのない感情がやってきた。


「かわいい」とか「きれい」とか、そういう、

すぐ言葉にできる類の感情ではなかった。


その瞬間から、その感情は、徐々に、徐々に、湧き上がって

どんどんと私を侵食していった。

複雑に押し寄せて、湧き上がる。


その感情は、なんなのか?

理解しようとして、私は仕事も忘れ、固まっていた。


名前の付けられない感情。

その感情は、きっと「感動」という言葉が一番近いのだろう。

一生の間に、何回もないような、心が震える出来事・・・

この感情を得るために、人は、日々頑張っているのかもしれない。




その瞬間は、本人が思っていないタイミングでやってくるのだ。




そうして、私が固まっているうちに、ささっと娘は家を出ていった。



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